チャンスの神はここにいる
「ありがとうございます。これからも頑張ります。明日事務所でイベントありまーす。場所は……」
挨拶ついでにイベント宣伝をして、杏奈ちゃんは発表終わりのグラドル達の席に着いてしまった。
いやーー!
杏奈ちゃん。私を置いて行かないでーー!
咲ちゃんとツーショットにしないでーー!
「さぁどちらかが一位で、次回からアシスタントの座に着きます。ちゃんごらすの鈴木さんから発表お願いします」
女子アナが興奮気味に言うと
ちゃんごらすのデブキャラ鈴木が小さな封筒を開く。
「緊張するね」
カメラを意識しながら
咲ちゃんは私に言うけど、別の意味で緊張する私。
ありえないけど
私が一位になった時
咲ちゃんの攻撃が怖い。
それはないから
一位は咲ちゃんなんだ。
ファンが付いてるなー。
巻き返しで一位か
性格はどうであれ人気あるな咲ちゃん。
でも私も二位か
うわぁすごいよ私。
どこに座ろう
やっぱり前列センターに座らせてもらおう。
ドラムロールの音楽が止み
ちゃんごらす鈴木の声がスタジオに響く。
「一位はメグちゃん」と……。
直後に後ろからバズーカ砲で紙吹雪が飛び
たくさんの拍手とグラドル達がやってきて
私の周りに集まった。
へっ?私?
私が一位?
驚きで笑顔も出ないしコメントも出ない
もし純哉君が見ていたら
絶対怒鳴ってるだろう。
私?一位?
綺麗なバラの花を抱えて安東さんが登場し、私に花束を渡して
「この為に呼ばれた」って笑う。