チャンスの神はここにいる

ふらつく足で一歩進むと

「一緒に行く」
紳士的な態度で安東さんが言ってくれる

けど……私は首を横に振る。

迷惑かけてはいけない。
逆上して安東さんにケガでもさせたら大変だもの。

「塚もっちゃん一緒に行ってあげて」
安東さんが言い
塚本さんはうなずく。

でもそこで

「メグちゃんひとりで行かないとダメじゃない?余計怒るよー」

咲ちゃんがニヤニヤしながらそう言った。

おのれ……原因は誰だと思ってんだ。

「せっかく優勝したのにねー。ざーんねんだ……」

最後まで言わずに
咲ちゃんはそこで自分の頬を叩かれた事を知る。

ピンクのチークが似合う頬がピシャリと打たれ、咲ちゃんは信じられない顔をした。

「メスブタは黙ってな」

ドスの効いた声を出し
杏奈ちゃんが咲ちゃんの前に立つ。

「何すんのよ!」
咲ちゃんが叫ぶと
杏奈ちゃんは彼女の反対の頬を打つ。

すると
負けずに咲ちゃんは杏奈ちゃんの頬を遠慮なく打ち

そりゃぁもう……女ふたりの大ゲンカ勃発。

「いつもスカしてんじゃねーよこのブス!」

「ヤンキー上りがエラそーに!」

そしてそれが

「私の衣装にコーヒーかけたのアンタでしょ」

「私にも言わせて!」

などなど……みんな出てきて

しゅらばんばん。
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