チャンスの神はここにいる
「ええ根性しとるやないか」
ドスの効いた低い声に身体が震える。
「お前だけじゃないぞ。お前の事務所にも圧力かけたる」
「あと……ほれ、あの面白くない若手!うちのコリアンダーとキャラ被ってるアレ。お前の彼氏?」
その言葉に顔を上げると
遠藤は私の反応に満足して、相方と目を合わせた。
「あんな奴ら潰すのワケないわ。二度と舞台に立てなくしたる!」
遠藤に言われて血の気が引いた。
「ダメです。亮平君と純哉君は関係ありません。ブルプラの2人には手を出さないで下さい」
必死になって訴えたら
「じゃぁ脱げや」
「グラドルのくせに、もったいぶるんか?脱げ脱げ!」
2人の邪魔は絶対させない。
「脱いで謝ったら許してくれるんですか?」
かすれた声で言い
私は立ち上がり
薄いニットとチェックのミニスカートを潔く脱ぎ捨てた。
「最初から脱げよー」
「いいねいいねー」
屈辱で吐きそう。
でも
これで全て丸く収まるのなら……と、思っていると
「下着も脱げよ」
「脱いでここ座り」
優しい声を出し
スキンヘッド遠藤は自分の隣を指示する。
そんなとこ
全裸で座ったら
押し倒されるに決まってる。