チャンスの神はここにいる
「私ね……」
「うん」
やっとキスを止め
互いに額を重ねて、頬を重ねて
存在を感じ合う。
「総選挙……一位になったよ」
「うん。舞台の端っこでテレビ見てた」
そうか
そんな場所で……って
背中に冷水を浴びた気分。
一気に目が覚めた。
「亮平君舞台は?」
今日はオールで事務所の人達と舞台って、沢井君が教えてくれたよ。
私のせいで
舞台に穴を開けてしまった?
あぁ
そんな事したら
また純哉君に怒られる!
我に返って心配すると
「これから走る。メグちゃんも行こう。着替えて」
ゆっくりと身体を離し
私に着せてる自分のブカブカなジャケットの襟を直しながら笑顔を見せる。
亮平君の笑顔
久し振りに見る
大好きな人の笑顔。
「うん」
私は元気に返事して
亮平君と手を繋ぎ
グラドル達の控室に走った。