チャンスの神はここにいる


「亮平は緊張しながらお前をレストランへ呼び出す。さりげなく食事、そしてデザートにケーキが出て、完食するお前を亮平が青ざめて見て言う『メグちゃん、何か入ってなかった?』と……」

俺様大魔王はスーツ姿で書類を読む。
チャコールグレーのスーツが良くお似合いです。
どっかの会社員みたい。

純哉君はあいも変わらず
私の前では口が悪く俺様ドSだけど
世間的には王子様イメージを保っている。

この服装はドラマの衣装。
あと30分でスタジオに戻る彼。

ブルプラはピンでも仕事が入る様になり、純哉君はドS上司の役で来月から月9ドラマに出る。

純哉君がドS?
ええっ?あの王子様な人が?
とっても意外ー!……と、言われてるようだけど

完璧ピッタリだぜ。

「亮平はケーキの中に指輪をサプライズで入れていた。でも気付かないお前は食べてしまったかもしれない……そんな設定」

「なにそれ?」

「亮平サプライズプロポーズ編」

真面目顔に言葉も出んわ。

「コスプレ結婚式編もあるけど」
ガサゴソと用紙を探す大魔王。

「全てネタにしないでよ」

「バカだなー。特番だぞ」

仕事の鬼め!

「絶対しない。そんな用事で来たの?」

呆れてしまうわ。

「それもあるけど、来週からの第二回総選挙。大丈夫かお前」
眼鏡の奥で心配そうな顔でジッと私を見る純哉君。

綺麗な顔の純哉君。
仕事人間なので
まだフリーです。
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