チャンスの神はここにいる

「お前はコメントが弱いからな。勉強せーよ」

「へいへい」

生返事の私にもう一言説教をくらわす寸前

「俺も入れて」
亮平君がマクドナルドの店員さんコスプレでやってきた。

「何それ?」

「似合う?転職しようかな」

ご一緒にポテトはいかがですかー?って言いながら亮平君は純哉君の隣に座った。

「BSのコント?」

「そうそう。純哉さぁ来週のライブ……」

この二人が一緒になると
私の存在は空気になってしまう。

亮平君と純哉君は仕事のお話が続いてる。
ピンの仕事が入るから
前より二人は会う機会が減ってるかも

それはそれで寂しい。

しかし
似合ってるな亮平君のコスプレ。

「時間だから先に行く。サプライズ企画考えとけよ」
純哉君は立ち上がり「ゴチ」って会計を亮平君に回して行ってしまった。

「サプライズ企画って何?」
亮平君に言われて
私はさっきの純哉君の話をすると

「ウケるー。やってみる?」

「亮平君までネタにする」

「それは芸人の性(サガ)ってヤツでしょ」

サラリと笑って言われた。

ずっとずっと変わらない

その優しい笑顔。


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