チャンスの神はここにいる

「今日は夜中の1時頃帰るね。先に寝てて」

「うん」

「メグちゃん」

「はい」

「愛してる」

亮平君は周りを気にせず
素早く私の頬にキスして背を向けたから

「亮平君」
私は彼の背中に問いかける。

「なに?」

「私と仕事、どっちが大切?」

この質問を
する日が来るとは思わなかったでしょ。

亮平君は最高の笑顔で振り返り

「メグちゃん」って言った。

その答で正解かい?
澄んだ瞳がいたずらっ子のように私に問いかける。

うん。今は正解。

私はキラキラ光る左手の薬指に、そっとキスして彼に微笑む。


 私も愛してる。

言えなかった言葉を指輪に言い

キュンと胸を熱くした。


亮平君 大好き。

ふたりで……いや、かわいそうだから
たまに純哉君も入れてやろうか

しあわせになろうね。



  【完】



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