チャンスの神はここにいる

突然の行動に涙が溢れ
言葉も溢れる。

「亮平君キラキラしてた」

ギュッと抱かれる。

「生き生きしてた。輝いてた」

広い胸に抱かれる。

「とってもカッコよかった。華があった。お笑いが大好きで、この一瞬に賭けてるってわかった」

彼の顔が近づき
私の髪にキスをする。

「亮平君は頑張ってる。私は現実に目を向けれなくて、人をひがんだりして、ゼンゼン頑張ってない。だから売れないし華もない」

亮平君の香りは心地よい。
その胸も心地よい。

「亮平君に売れてほしい。認められて売れっ子になってほしい。でも……私は取り残された気持ちになってる。そんな自分が嫌でたまらない」

何を言ってるんだろ私。
亮平君達が塚本さんに認めてもらって
嬉しい場面なのに
おめでたい場面に水を差してる。

サイテー。

「自分が嫌い」

泣きながら言うと
背中に回った手がふと緩む。

呆れたかな
そうだよね
呆れたかもしれない。

突き放されるって思っていると
緩めた彼の手が
そっと私の頬に重なり

私の顔を自分に向ける。

「今日はメグちゃんがいたから頑張れた」

泣いてる顔が恥ずかしくて
そっと顔を下げようとしていると

「純哉に、売れるまで恋愛禁止って言われたけど……やっぱ無理」

彼は私にわかるくらいの大きな深呼吸をしてから

グイッと私の身体を引いて抱き直し

唇を重ねた。

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