チャンスの神はここにいる
「スコア中西さんは、塚本プロデューサーの高校時代の先輩である」
どっかの教祖気分で
私はふたりに両手を広げ事実を言うと
亮平君は私の隣で「じぇじぇじぇ」と驚き、純哉君の顔を恐る恐る見る。
純哉君は能面のような冷たい顔をし、突き出した親指を下に向けた。
亮平君
ツッコミ失敗。
リアクションが古かった。残念。
先を続けよう。
塚本さんは自分のヤル気の無さをスコア中西さんに指摘され『ライブを観に来い』って言われ、ライブに来た。
そして
純哉君と亮平君の漫才を見て
『今は粗削り、時間がかかるけど、彼らは売れるよ』と、言った。
それを言うと亮平君は「よしっ!」って改めて声を出して感動し、純哉君は不敵に笑う。
対照的すぎて怖い。
そして私は口止めされていた
番組の新コーナーの話もふたりにすると「メグちゃん知ってたの?」って、亮平君の目が丸くなる。
「ごめん。絶対内緒って言われた」
頭を下げて謝ると
「知ってたんだ。俺、スゲー浮かれちゃって、恥ずかしかったかも」
照れた顔も可愛いと思うのは
惚れた弱みであろうか。
「すぐ言いたかったけど、ごめんね。この世界は信頼が大切だから」
信頼を失うと
私みたいな
吹けば飛ぶようなグラドルなんて
すぐ消されちゃう。
「亮平君達の舞台が終わったら、『目的は達成した』って、次を観ないで帰ってしまった」
説明すると
2人の顔が輝く。