チャンスの神はここにいる

広い胸元に甘える私。

「そう聞かれたらね」

「うん」

「『メグちゃんが大事』って答えるから」

優しく言われて顔を上げると

甘いキスが待っていた。

今度は重なるだけじゃなくて

膝が崩れるような
深く甘いキスだった。

「好きだよ」

「私も」

ギュッと抱かれると
幸せすぎて泣けてきそう。

「頑張るから」

「うん」

「メグちゃんも頑張れよ」

「うん」

身体を離して
ジッと顔を見て亮平君は言う。

「さっきの答だけど、もし私が『仕事より女を選ぶの?嬉しいけど男としては最低。情けない』って言ったらどうする?」

困らせたくて聞いてみると
亮平君は「うーん」と悩みながら。

「『さっきのは嘘。今の俺は仕事が大事』って言い直す」

悪びれも無く前言撤回
呆れてたら

「どっちでもいいんだ。メグちゃんに嫌われない返事を一生懸命探すだけ」

「ワケわかんない」

「うん。それでいいの」

笑ってまた手を繋ぎ、元の明るい大きな通りへ移動。

「それじゃさ」
今度は私から質問。

「『私と純哉君のどちらを選ぶの?』とか言われたらどうする?」
軽くふざけて聞いてみると

彼の返事はない。

てか
すんごく真面目に悩んでるし

おいっ!
それって仕事より選べない重要事項?

ジッと答を待ってると

「その質問は禁句にしよう」

一言告げられ
私もうなずく。

魔王に勝てるか?私。

HP貯めなきゃ。
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