チャンスの神はここにいる

ヤバいヤバい。
負けるな私!

えっと……えっと名前
スリーサイズ
趣味は何だっけ……料理?いや旅行?ドライブ?
笑顔笑顔笑顔
純哉君が言ってたのは
腋をギュッとして胸をよせて
手のひらをパーにして……どこの高さに指を持ってくんだっけ。

パニくってる間にも
前列の終わりまでマイクが回り
私のすぐ下の子が終わったら
次は私。

みんな堂々と自己紹介してる。

眩しいライトを浴びながら
塚本さんの顔が怖い。

落ち付こう私。

大丈夫。
きっと大丈夫。

亮平君がテレビの前で私を見てる。応援してる。

覚悟を決めて
深呼吸していると前からマイクが回ってきた。

私の番。
右手で受けとり
これでもかっ!ってほどの笑顔をカメラに向け
声を出そうとした瞬間


「今度は後列----!」

と、急にまたスキンヘッド遠藤が前に出て

後列の女の子の胸をタッチしながら走り去る。

油断した。
もう来ないと思ってたのに。

また大騒ぎになり
遠藤は相方に怒られるけど涼しい顔。

相方の鈴木も怒りながら
ニヤニヤ笑っていた。


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