チャンスの神はここにいる





グラドル達が集まる楽屋に入ると
女子独特の香りが部屋に漂う。

衣装さんがその日に着る水着とサンダルを人数分用意し、女の子達は自分の名前を書いてあるそれ持ち、隣の着替え部屋で順番に着替えて、時間まで待つ。

咲ちゃんクラスのアシスタントになると、自分だけの楽屋でヘアメイクも専門の人がやってくれるけど、私達その他大勢は各自やらねばならない。

だから
少しでも可愛く
目立つように自分で頑張らなきゃいけない。

中央のテーブルにあるのは
お菓子と飲み物。

今日はスコア中西さんから
マカロンの差し入れあり。
たぶん
若き新妻で私の友達であるレナのチョイス。
趣味がいい。

「メグちゃん食べないの?」

衣装を確認する私に杏奈ちゃんが声かける。

「うん。今日はいいよ」

杏奈ちゃん。
薄毛と別れた?
プロデューサーとはどうなった?

聞きたいけど我慢しよう。

袋からヒールの高いサンダルを取り出し、履き心地をチェックしようとすると

楽屋の扉がノックされ

亮平君と純哉君が現れた。

「失礼します。今日の新人お笑い勝ち抜き戦に出る、ブループラネットです。よろしくお願いします」

亮平君が明るい声を出し
後ろで純哉君が王子様スマイルで私達を悩殺。

キャーと何人か声を上げたけど
二人は扉を閉め
すぐ出て行ってしまった。

「会いたかったんだー。初めて見たブルプラー。純哉王子カッコいい」

杏奈ちゃんは秒殺で
目がハートになっている。

ダマされねーよ私はー!
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