その一瞬さえも、惜しくて。

「あれ?今日はあのうるさいお友達はいないの?」



「なんだ和真のこと知ってるんだ。」



「毎日うるさい声で永嶋を迎えに来るんだもん。
嫌でも知っちゃうよ。」



鳴瀬はピンク色のお弁当を広げて
僕の横へと座った。



「来てくれたってことは、
俺と友達になってくれるんだろ?」



「いつそんなこと言った?」


鳴瀬のお弁当はいつも美味しそう。

今日はオムライスみたいで
僕の一番の大好物だった。



「友達もだめなのかよ。けちだなー。」


「友達は作らないって決めてるの。」




< 102 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop