その一瞬さえも、惜しくて。
「あれ?今日はあのうるさいお友達はいないの?」
「なんだ和真のこと知ってるんだ。」
「毎日うるさい声で永嶋を迎えに来るんだもん。
嫌でも知っちゃうよ。」
鳴瀬はピンク色のお弁当を広げて
僕の横へと座った。
「来てくれたってことは、
俺と友達になってくれるんだろ?」
「いつそんなこと言った?」
鳴瀬のお弁当はいつも美味しそう。
今日はオムライスみたいで
僕の一番の大好物だった。
「友達もだめなのかよ。けちだなー。」
「友達は作らないって決めてるの。」