その一瞬さえも、惜しくて。
「うおおおお、すげぇぇ!!
鳴瀬さんがいる!本物だよな?!」
和真の興奮気味な声が響く屋上。
次の日も、鳴瀬はここに来ていた。
まぁ無理矢理呼んだのだけれど。
「すっげぇ、信じらんねぇ。
あの、俺、あきらの友達でっ!
隣のクラスの、」
「あ、うん、知ってます。」
「えぇぇぇ!!?すげぇー!
あの鳴瀬ひかりが俺のこと存じ上げてるって!!
聞いた?あきら!!!」
鳴瀬が僕達と一緒に
こんな風にお昼を過ごしているなんて
相当信じられない。
和真が叫びたくなるのもわかる。
けど、本当は鳴瀬も、誰かとこんな風に
過ごしたいんじゃないか。
って、感じたんだ。