その一瞬さえも、惜しくて。
止められない想い。
「おい!ひかり~!」
部活終わり駅まで向かおうと歩いていると、
ひかりが少し先を歩いているのに気がついて
彼女が振り向いたのを確認すると、僕は小走りで駆け寄った。
「部活終わり?
そんな走ってこなくてもよかったのに。
いつでも会えるんだから。」
「帰りに会えるなんて初めてだろ。
ひかりは小嶋先生帰りか?」
し!声が大きい!と、ひかりは指を口元に当てた。
むすっとしたひかりは先ほどよりも
早歩きになる。
「なんだよ、なんかあったのか。
機嫌悪そうな顔してるぞー。」