その一瞬さえも、惜しくて。
これだから優秀君は嫌だ、とひかりは呆れていた。
「中学から私立だなんて、本当いい育ちしてるよ。」
「サッカーで行ったんだからなんも努力してねぇよ。
親にも迷惑かけっぱなしだし。」
私とは住む世界が違うって、ぼそっとひかりが呟いた。
「ひかり...?」
N駅~まもなくN駅です。
アナウンスが鳴ってひかりははっとしたように声を出す。
「あ!ほら、もう着くよ。私降りるけど、
本当に永嶋も来るの?」
「もちろん、そこまで送らせてよ。」