その一瞬さえも、惜しくて。
「監督の話長いんだもんなぁ。」
和真は嫌そうにため息をついて
またぽけっとへと携帯を閉まった。
そんな話をして廊下を歩いていると
横を鳴瀬ひかりが通った。
それも足早に通り過ぎて行くもんだから
きっと急いでいるんだろうか。
それを同じように見ていた和真が
口を開いた。
「おっと、びっくり。
輝、あの鳴瀬さんと同じクラスだったんだな。」
まさか和真と鳴瀬ひかりの
話題が出てくるなんて思わなかったから
凄く変で
なんとも言えない感じがした。