その一瞬さえも、惜しくて。

鳴瀬ひかりは僕を見るなり
表情ひとつ変えずに

自分のロッカーへと手をかけた。




さっきまで綺麗に束ねていた髪の毛は
おろしてあって
少し乱れている気がした。



それよりも何故こんな時間まで
校内に居たのだろう。


確か放課後、急いで
教室を出ていったはずなんだけど。


< 22 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop