その一瞬さえも、惜しくて。

席へ着こうとして
その二人も僕の後へついていく。



「うちらカラオケ行くんだけど
あきらもどう?
ほら、和真も誘ってさ。」



呼び捨てで呼んでもいいよ、なんて
会話をしたわけでもないのに
正直ずうずうしい女は苦手だ。



「あーわりぃ。試合前でさ
OFFがないんだよね。だからちょっと…。」


そんな話を席でしていると

さっと僕の後ろを通り、左隣の席に
鳴瀬ひかりが座った。


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