その一瞬さえも、惜しくて。

「おいおい、何で知ってるんだよ。」



「隣のクラスまで噂回ってる。
女子達が悲鳴あげてたぞ。」



そんな挨拶しただけで
噂が回るなんて、どうなってんだよ。



で、何で鳴瀬さんに声掛けたんだ
って、和真は知りたそうな表情をする。




「ただ、挨拶しただけだぜ?」



昨日の昇降口でのことは
正直誰にも話したくなかった。

もちろん、和真だろうと。



何故だか、鳴瀬ひかりと僕との
秘密にしておきたかったんだ。


< 36 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop