その一瞬さえも、惜しくて。

《友達が、鳴瀬のアドレスを知りたがってる。》



そう紙に書いて
折り曲げて左隣へ、そっと投げた。



授業中で一番後ろの席で
誰にもバレずに会話をするのは

これくらいしかないなって思った。



チラッと横を見ると

さっきまで外を見つめていた
彼女は、きちんとそれを読んで

その下に何かを書いている様だった。



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