その一瞬さえも、惜しくて。
気付いてしまったから。
和真には何度も鳴瀬ひかりの
アドレスを頼まれたけど
いつも聞けなかった。
無理だった。と、返していた。
あれからと言うと連絡先を交換したのは
良いが、
僕は彼女に連絡は出来なかった。
これ以上近付いていいものか
ここで止まるべきなのか
僕の心の中で葛藤していたからだ。
でも一つだけ変わったことがある。
毎朝、席へ着き
後から登校してくる鳴瀬ひかりに
「おはよう。」
と、声を掛けること。
ただそれだけ。