その一瞬さえも、惜しくて。

鳴瀬ひかりは
ある部屋の前で立ち止まり

辺りをきょろきょろと見回している様子で。



それに気付き、僕も校舎の柱の裏へ
慌てて隠れた。




そして、ちょこっと顔を覗かせた。



彼女はその教室のドアを
とんとんとんっ、と軽く三回ノックした。




そして、ゆっくり扉が開いた―――。





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