その一瞬さえも、惜しくて。

それよりも担任の
“なんだ、鳴瀬か。”

の、一言がどうしても気に食わなかった。
周りは、何とも思ってないんだろうか。





「他にはいないかー?」


担任がきょろきょろ見回す中で

僕は、すぅっと手をあげたんだ。


「え、あきら?!珍しくね?」

「永嶋くん、赤点じゃないからいーじゃん!」

さっきとは違って笑いが起こる。


「おぉ!永嶋、どこか希望の席があるのか?」


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