その一瞬さえも、惜しくて。
「明日のテストの
数学と地理のノートだよ。
どうせ全部とれてないんだろ?
これ見て一夜漬けで覚えてこいよ。」
ふあ〜
五分ってあっという間なんだな、
行くか〜。と、僕は背伸びをしながら
立ち上がった。
「でも、これっ!
わたしが持ってたら永嶋が…。」
「赤点取らなければいいんでしょ?」
そう言って僕は、彼女に向けて笑った。
「授業はちゃんと聞いてるから大丈夫。
鳴瀬と違ってさ。」