その一瞬さえも、惜しくて。









「あ、ありがとう…。」


また怒られると思っていたのに
返って来たのは予想外の言葉だった。


「や、いや、いいんだよ!
全然!全然いいから。」


僕の顔、きっと今最上級に赤い。


要は照れてるってこと。
ありがとうって、彼女から言われたもんだから。


鳴瀬ひかりが立ち上がるのを
見て、僕は呟いた。


「あのさ、俺、負けないから。あいつに。」


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