その一瞬さえも、惜しくて。
「ひかり、お疲れ。
テストちゃんと出来たのかー?」
ドアからひょこっと顔を覗かせるのは
私の大好きな人。
わたしは部屋に入り、陽太先生が
ドアの鍵を閉めたのを確認してから
ぎゅーっと抱きしめた。
おっきくてあたたかくて大好きなわたしの場所。
「テストできなかったって顔してるぞ?」
「ううん、それがね、出来たんだ!」
「お、珍しく聞きにこないと思ったら
出来てるなんて驚きだな。」
にかーって、陽太先生が私の頭を撫でながら笑ってくれる。