完璧上司は激甘主義!?
潔癖上司と出会う方法
「南課長、よかったらどうぞ」
彼専用のマグカップ。
きちんと整理整頓されたデスク中央より、斜め四十五度の角度がいつものベストポジション。
もちろんカップを置くときは、珈琲が零れないよう細心の注意を払う。
そして必要以上に彼のデスクを触ったりはしないこと。これ、一番重要だったりする。
「ありがとう」
一切こちらを見ることなくパソコンキーのキーを打ち続ける南課長。
初めての人だったら『感じ悪い』『不愛想』って思うかもしれないけれど、彼に至ってはこれが普通。いや、むしろお礼を言われただけマシなのかもしれない。
「失礼します」
軽く一礼をし、彼のデスクから離れ給湯室へと戻ると待ち構えていた同期仲間のふたりに取り押さえられてしまった。
「ちょっと新さんってばさすが!潔癖上司からお礼を言われるなんて!」
「本当だよ!私なんて、いっつもなにかしら文句を言われるし」
「いえ、そんな……」
それはきっと南課長暗黙のルールを守っていないからだろうなぁ。
なんて心の中で思っているものの、口には決して出すことなくスマイルを貫き通す。
彼専用のマグカップ。
きちんと整理整頓されたデスク中央より、斜め四十五度の角度がいつものベストポジション。
もちろんカップを置くときは、珈琲が零れないよう細心の注意を払う。
そして必要以上に彼のデスクを触ったりはしないこと。これ、一番重要だったりする。
「ありがとう」
一切こちらを見ることなくパソコンキーのキーを打ち続ける南課長。
初めての人だったら『感じ悪い』『不愛想』って思うかもしれないけれど、彼に至ってはこれが普通。いや、むしろお礼を言われただけマシなのかもしれない。
「失礼します」
軽く一礼をし、彼のデスクから離れ給湯室へと戻ると待ち構えていた同期仲間のふたりに取り押さえられてしまった。
「ちょっと新さんってばさすが!潔癖上司からお礼を言われるなんて!」
「本当だよ!私なんて、いっつもなにかしら文句を言われるし」
「いえ、そんな……」
それはきっと南課長暗黙のルールを守っていないからだろうなぁ。
なんて心の中で思っているものの、口には決して出すことなくスマイルを貫き通す。
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