完璧上司は激甘主義!?
「いいな~休日デート。羨ましい」

「分かる!ホームセンターってところがまたいいよね~」

「恋人以上の関係みたいだよね!」

私と南課長を見てのことだったのか、小さな子供連れの主婦ふたりから聞こえてきた声に、これが『デート』なんだって思わされる。
ずっと南課長は単に私に家事を教えるべく連れてきてくれただけだと思っていたけど、そっか。
他人の目から見たら私と南課長は“休日デート”をしているように見えるんだ。

「新、会計するから待っててくれ」

「え……いやいや!私が払いますから!」

立ち止まった場所はレジから程近い場所で、さすがに休日とだけあって沢山の買い物客が並んでいる中、鞄から財布を取り出し駆け寄った私に、南課長はとんでもないことを言い出した。

「いいよ、ここは俺が払うから」

「そんなっ……!」

第一これ、全部私が使うものだし、南課長にお金を出してもらうわけにはいかないよ。
財布からお金を取り出そうとしたけれど、その手は南課長の言葉によって止められてしまった。
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