完璧上司は激甘主義!?
顔が見れないのがこんなにも辛いとは……。

それにサロンでの仕事は、未希から聞いていた以上に大変で辛い。
たった三日しか経っていないのに、既に疲労感が半端ない。

「言ったでしょ?サロンでの仕事は大変だって。それに!前も言ったけど、もっと早く相談してほしかったんだけど。……南課長とのこと」

「……それはごめんってば」

南課長との一連の出来事を未希に話すことが出来たのは、この研修が始まった初日だった。
元々未希とは部署が違うし、休憩時間が合わない上に残業も当たり前だから、帰る時間も合わなかったりする。
それに何より今、未希と斗真が微妙な関係だからなんとなく会いづらかったんだよね。
斗真は未希に告白するって断言していたし。
なのに私だけ未希に会うのは、斗真の手前悪い気がしちゃっていたし。

「まさか麻帆のズボラ私生活が南課長にバレているとは、夢にも思わなかったよ」

「アハハ……」

それはもう、本当に笑うしかない。

「お待たせいたしました」

ギリギリで注文したランチセットが運ばれてきて、早速プレート料理のひとつ、サラダに手を伸ばす。

「でもさー……なんかしっくりこないんだよね」

「え……なにが?」

未希はプレートに乗っている二種類のうち、ひとつのパスタを器用に巻きながら言った。
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