完璧上司は激甘主義!?
それに、ここは都心部のオフィス街。
もしかしたら彼も、この近くのオフィスにいるのかもしれない。
エタンスラントに入社することができたら、彼とまた会うことができるかもしれない。そんな淡い期待を抱いて仕方なかった。

それから就職活動をひたすら頑張って、念願のエタンスラントから内定をもらえた時は、天にも昇る気持ちだった。
ずっと憧れていた職業だったし、もしかしたらあの彼とまた会えるかもしれない。
そう思ったら、早く大学を卒業したくて堪らなかった。

そんな私に待ち受けていた現実は、本当に“運命の出会い”と言いようがないものだった。

憧れの部署に配属されただけではなく、なんとあの日、一目惚れしてしまった彼が直属の上司だったのだから。



*  *  * 


「配属の日は、本当にびっくりしちゃったなぁ」

温め終わったコンビニ弁当を食べながら、しみじみと思い出してしまうのはあの日のこと。

同じ配属先の同期と人事部長に連れてこられた先には、あの日の彼が待っていたのだから。
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