完璧上司は激甘主義!?
ソファーの上には脱いだままの洋服の山。
テーブルの上はゴミやらスキンケアグッズやらで見えず状態。
フローリングの上には雑誌や鞄、脱ぎっぱなしのストッキングまで落ちている始末。

「……なんだ?これは」

南課長の視線と合わせて一緒にキッチンを見れば、弁当のゴミの山が見えてきた。

あぁ。……これはヤバイ。
だってさっきの南課長の声、震えていたもの。
会社で部下を怒る時のように震えていた。

必死に言い訳を考えるものの、そんなもの浮かんでくるはずもない。

「……おい、これはないだろう」

「え?……わわっ!?」

なぜかしゃがみ込み、ある物を拾い上げた。
だけどそのある物を見た瞬間、急いで南課長から奪い取った。

「しっ、失礼いたしました!!」

はっ、恥ずかしすぎる!!

一気に顔が熱くなっていく。

だって南課長が拾い上げた物は、ブラジャーだったのだから。
しかも子供っぽいピンク色のデザインのものを!!

後ろで握りしめ、隠すものの南課長は呆れたように息を吐いた。

「新!掃除だ!!」

そして近所迷惑にもなりかねない、大きな声で叫んだものだから「はい!」と返事を返したものの、後ろ手で持っていたブラジャーを落としてしまった。
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