完璧上司は激甘主義!?
「まずはそれを片付けるように」

「……はい」

本当、またやってしまった。
これ以上幻滅などされたくなかったのに。

それから終始南課長は幻滅した顔をしながら、私と一緒に片づけをしてくれた。
そして片付けが終わり、南課長が綺麗にしてくれたように元通りの部屋に戻ったのは、十二時を回ってからだった。

「っとに。新のズボラさは一筋縄ではいかない覚悟はしていたが、相当なものだな」

「……すみません、本当に」

うぅ。謝ることしか出来ないよ。

恥ずかしいやら申し訳ないやら……。
とにかく今の私には、南課長に好かれる要素など何ひとつ持ち合わせていない。
そう自覚するとまた落ち込んでいく。

「こんな遅い時間まで申し訳ありませんでした」

「そう思ってくれるなら、今後また抜き打ちで来たときは、今の状態を保てているように」

「……はい」

とどめの一発に、すっかりと気力を失ってしまった。

本当に申し訳ない。
南課長だって仕事が忙しいはずだし、それに――……。

そうだよ。
それに南課長には“ショーコさん”がいる。
なのに大丈夫なのかな?こんな遅い時間までいくら部下と言えど、女の私の部屋にいたりして。

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