完璧上司は激甘主義!?
それがどうしても気なってしまい、部屋中を見回しながら最終チェックしている南課長に聞いてみた。

「あの……!」

「どうした?」

部屋を見回しながらもすぐに返ってきた返事に、ドキッとしてしまう。

だめだめ!ちゃんと聞こう!!

「その……だっ、大丈夫なんですか!?こんな遅い時間まで。……付き合わせてしまった私が言うのもなんですが……」

少しずつ小さくなっていく声。
だけど狭い室内ではしっかりと南課長の耳元まで届いてくれたようで、部屋を見回すのをやめ、私を見ながら困ったように笑った。

「ククッ。本当にそれ、新が言えないよな?」

「……っ!」

困ったように、だけどどこか可笑しそうに口元を押さえながら笑う南課長の姿に、一瞬で私の視線は奪われてしまった。
そして再認識させられてしまう。
南課長のこと、好きだなって――。

会社では見せない表情を見せられると弱い。
私しか知らない特別感に一層気持ちが加速させられてしまう。
でも……この特別感に浸っているのは、きっと私だけじゃないんでしょ?
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