完璧上司は激甘主義!?
自分で言っておきながら、虚しくなりそして落ち込んでいく。

そもそも南課長に掃除の流儀を教わっている時点で、私の恋はとっくに終わりを迎えてしまっていたのかもしれない。

せっかく未希と飲んでいると分かっていながらも、気持ちは沈んでいく一方。
そんな私を見兼ねたのか、未希はまた大きな溜息を漏らした。

「ちょっと待ってて」

そう言うとなぜか鞄の中からスマホを取り出し、誰かにメールを打ち出した未希。
そして数分後、メールを送信終えたのかスマホをテーブルの上に置いた。

「待ってて。もうひとり助っ人がすぐに飛んでくるから」

「助っ人って……」

待って。未希の言う助っ人ってまさか……。

「お疲れ~!」

いきなり開かれたドア。
陽気な声と共に現れたのは斗真だった。

「え……斗真?」

突然現れた斗真に驚きを隠せない。
だって未希と斗真は気まずい関係のままだったはず。なのに、未希が斗真を助っ人として呼んだってことは……。

そこまで考えると、つい未希を見つめてしまう。
すると未希は気まずそうに視線を泳がせる。
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