完璧上司は激甘主義!?
「片付け、頼むな」
一言残して、南課長はそのままオフィスへと戻っていった。
大好きな南課長の背中を見つめたまま、しばらくの間その場から動けずにいた。
「お先に失礼します」
定時を過ぎ、先に上がった田村さんと中村さんの後を追うようにオフィスを後にする。
南課長は午後からずっと外回りに出掛けており、結局今の時間になっても戻ってくる気配はない。
大きく息を吐きながらも更衣室を目指していると、急に向こう側からドタドタと激しい足音が聞こえてきた。
「……げ」
思わず嫌な声が出てしまう。
だってそれもそのはず。
その足音の主は半べそ状態の斗真だったのだから。
立ち止まったまま顔を引きつらせていると、斗真はますますスピードを上げてまるで闘牛のように、私の元へと駆け寄ってきた。
「麻帆~!ちょっと聞いてくれよ~!!」
そして情けない声を出す斗真は、ピタッと私の前で立ち止まると逃がさないと言わんばかりに、私の両腕をがっちりと掴んできた。
「ちょっ……!斗真ってばここ会社だから!!」
周囲を見回し誰もいないと分かってはいるものの、ここが会社であることには間違いない。
いつ誰かに見られても文句は言えない状態だ。
一言残して、南課長はそのままオフィスへと戻っていった。
大好きな南課長の背中を見つめたまま、しばらくの間その場から動けずにいた。
「お先に失礼します」
定時を過ぎ、先に上がった田村さんと中村さんの後を追うようにオフィスを後にする。
南課長は午後からずっと外回りに出掛けており、結局今の時間になっても戻ってくる気配はない。
大きく息を吐きながらも更衣室を目指していると、急に向こう側からドタドタと激しい足音が聞こえてきた。
「……げ」
思わず嫌な声が出てしまう。
だってそれもそのはず。
その足音の主は半べそ状態の斗真だったのだから。
立ち止まったまま顔を引きつらせていると、斗真はますますスピードを上げてまるで闘牛のように、私の元へと駆け寄ってきた。
「麻帆~!ちょっと聞いてくれよ~!!」
そして情けない声を出す斗真は、ピタッと私の前で立ち止まると逃がさないと言わんばかりに、私の両腕をがっちりと掴んできた。
「ちょっ……!斗真ってばここ会社だから!!」
周囲を見回し誰もいないと分かってはいるものの、ここが会社であることには間違いない。
いつ誰かに見られても文句は言えない状態だ。