完璧上司は激甘主義!?
その姿を視界の隅に捉えながらも、目線はどうしてもふたりが向かって行った先から離せずにいた。
とっくに見えなくなっているというのに、視線を動かすことが出来ない。
「麻帆。誰かいたの?」
斗真を無理矢理立ち上がらせながらも、一定方向を見たままの私を不思議そうに見つめてくる未希。
「未希……南課長がいたの」
「えっ!嘘!!」
咄嗟に私と同じ方向を見つめ、必死に南課長の姿を探す未希。
「しかもね……いまだに信じられないんだけど、サロンの永井さんと一緒だった」
「――え?」
衝撃だったのか言葉を失い、斗真の身体を支えていた力が弱まっていく未希。
斗真はまた痛そうな声を出して、地面に倒れ込んでしまった。
だけど未希は斗真を気にする様子を見せることなく、ジッと私を見つめたままだった。
痛いくらい未希の視線を感じ、居たたまれない気持ちになる。
本当は私だって信じられないし、信じたくない。……でも見間違うはずなんてないもの。
現実だと受け入れるしかないんだ。
そう思えば思うほど、うまく表情が作れなくなる。
とっくに見えなくなっているというのに、視線を動かすことが出来ない。
「麻帆。誰かいたの?」
斗真を無理矢理立ち上がらせながらも、一定方向を見たままの私を不思議そうに見つめてくる未希。
「未希……南課長がいたの」
「えっ!嘘!!」
咄嗟に私と同じ方向を見つめ、必死に南課長の姿を探す未希。
「しかもね……いまだに信じられないんだけど、サロンの永井さんと一緒だった」
「――え?」
衝撃だったのか言葉を失い、斗真の身体を支えていた力が弱まっていく未希。
斗真はまた痛そうな声を出して、地面に倒れ込んでしまった。
だけど未希は斗真を気にする様子を見せることなく、ジッと私を見つめたままだった。
痛いくらい未希の視線を感じ、居たたまれない気持ちになる。
本当は私だって信じられないし、信じたくない。……でも見間違うはずなんてないもの。
現実だと受け入れるしかないんだ。
そう思えば思うほど、うまく表情が作れなくなる。