完璧上司は激甘主義!?
「やめて下さいっ……」

「――え?」

ダメだ。もう止まらないよ。

「ですから、こういうこと……もうやめて下さい!!」

キティちゃんをギュッと握りしめたまま声を荒げてしまうと、南課長は驚き目を見開いた。

「こういうことされちゃうと辛いんです!……南課長が好きだからっ」

叫ぶように伝えた言葉――……。

好き。
南課長が好きなの。
好きだから辛いの。

「……新……?」

突然の告白が信じられないのか、南課長を見れば信じられないと言わんばかりに目を見開くばかり。

南課長からしてみれば当然だ。
ただの部下でしかないのだから。
でも私は違う。

信じてもらえるよう、真っ直ぐ南課長を見つめたまま自分の気持ちを言葉にする。

「好きなんです。……南課長は覚えていないかもしれませんが入社説明会の日、一目惚れしました。無事に入社することができ、同じ部署に配属された時は嬉しくてたまりませんでした」

運命だって思った。
一目ぼれした人が同じ部署で、直属の上司になったのだから。
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