完璧上司は激甘主義!?
「悪い……気持ちは嬉しいが新のこと、そういう対象には見ることができない」

ストンと心に落ちてくる言葉は、すんなりと受け入れることができた。

そしてやっぱり南課長のことが好きだなって再認識させられた。
普通に「恋人がいるから」って言って断ってくれてもいいのに。
そう言わないのは、未希の言う通り南課長はそういう人だからだ。
ちゃんと真剣に向き合ってくれているんだよね。

「……はい、分かりました」

分かり切っていた結果と、嬉しい言葉に涙が溢れそうになりつつも、どうにか堪え笑顔で返事を返した。
だってここで泣いたら、ますます南課長を困らせるだけだ。
せっかく南課長は私の気持ちを受け止めてくれたのに、ここで私が泣くわけにはいかないよ。

「ありがとうございました。……ちゃんと言ってくれて。……これからもいち部下としてご指導よろしくお願いします」

「……あぁ。もちろんだ」

本当は南課長とこれからも同じ職場で一緒に仕事をするのは、ちょっぴり辛い。
でもブライダルの仕事をすることが長年の夢だったから。

ここで恋愛も仕事も逃すわけにはいかないよ。
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