完璧上司は激甘主義!?
潔癖上司を信じる方法
「説明してもらえるか?……どうしてひとりで打ち合わせに行ったのかを」

「……はい」

あれから大高さんとはハーブティーを飲みながら、終始和やかに打ち合わせが進んでいった。
そして最後に「必ず実現させましょう」と力強く言ってくれた大高さんの言葉が嬉しくて、上機嫌で会社に戻った私だったけれど、そんな私を待ち受けていたのは南課長だった。

すぐさま呼び出され、みんながいるオフィスで問い詰められている状態の私。
背後に感じるみんなの視線が痛い。
同情の眼差しやら、心配そうな眼差し。
その全てが痛い。お願いだから気にかけず仕事を続けて欲しい。

きっと今まで見てきた南課長に叱られていた先輩達も、まさにこんな気持ちだったのかもしれない。

「新」

そんな思いを巡らせていても、容赦ない南課長の声に身体はビクッとオーバーに反応してしまった。
ずっと遠目にみていた怒っている南課長を至近距離で見る今、本当に恐怖でしかない。

「すっ、すみませんでした!!」

怖くてひたすら頭を下げ続けた。

南課長が怒るのは当たり前だ。
だって報告なしに勝手に行ってしまったのだから。
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