完璧上司は激甘主義!?
「ふー……疲れた」

居酒屋で斗真と斗真を家まで送っていく未希と別れ、電車に揺られながら最寄り駅で降りる。
改札を抜けるとすっかりと夜は冷えてくる季節になっていて、夜風が頬をピリピリさせる。

「あ……明日の朝ごはんだけ買っていかないと」

ここのところ、仕事も忙しかったし南課長と色々あって有頂天になっていて、家ではまた随分とズボラな生活を続けてしまっているから、食糧のストックなどあるはずないし、部屋も正直汚部屋状態。
だけど明後日は休みだし、掃除はその時にやればいい。

ほろ酔い気分でスーパーで買い物を済ませ、自宅マンションへと向かおうとした時、ポケットの中にあるスマホが鳴り出した。
すぐさまポケットから取り出し、確認すると電話の相手は南課長だった。
液晶に写った名前を見た瞬間、自然と頬も緩んでしまう。

「もしもし」

『新？いまなにをしてた？』

そして電話に出れば、すぐに耳をくすぐるように聞こえてくる愛しい人の声。

私、今人生で一番幸せなのかもしれない。
大好きな人とは恋人同士になれて、親身になってくれる大切な友人がいて。
これ以上の幸せなんてないよね。

終始緩みっぱなしのままスーパーで買い物をしていたことを伝えると、信じられない言葉が返ってきた。
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