完璧上司は激甘主義!?
「まぁ、こんなものだろう」

あれから数時間後。
南課長のご指導の下、あれほどの汚部屋が見事に見違えったものの、私の身体はすっかりとボロボロになっていた。

つっ、疲れた……!
仕事終わりから飲んでの身体に、さっきの労働量はさすがにきつすぎる!
きっと私以上に南課長の方が疲れているはずなのに、なぜか掃除中も今も生き生きしている。

南課長って潔癖症だと思うけど、ただ単に掃除をするのが好きってこともあるんじゃないかな?
そんなことを思いつつも、綺麗になった部屋を嬉しそうに眺める南課長を見つめていると、急に手を差し出された。

「少し休むか」

「え……?わわっ!?」

私の返事など聞かず、強引に腕を引かれソファーに並んで座らされてしまった。

うっ……!近い!!
あまりの近さに一気にドキドキが加速していく。

「ところで、どうしてまたこんな状態になってしまったんだ?」

「えっ!?」

隣で見下ろすように見つめる姿からは、威圧感しか感じない。
顔はどことなく微笑んでいるけれど、怒りを感じるから余計に。
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