完璧上司は激甘主義!?
手にしていたビールは篤人さんが座るソファーに落ちていく。
そして私の両手は篤人さんの身体を抱きしめていた。

「会いたかったです」

たった三日間会えないだけ。
それなのに寂しいと感じさせられてしまうの。

「麻帆……」

切なげに名前を呼ぶのは、キスのサイン。
些細なサインでさえもうすっかり覚えてしまった。

後頭部を押さえられ下から落とされるキス。
いつもと違うシュチュエーションってだけで、こんなにもドキドキさせられるなんて――……。

ゆっくりと離れていく唇。
お互いの鼻が触れる距離で、篤人さんは囁いた。

「ベッドに行こうか」

それからはいつものように、与えられる温もりと波に溺れるだけ。
ただ篤人さんが好きって気持ちだけが溢れて仕方なくて、少しでも伝えたくて必死にしがみつく。

肌と肌が触れ合うほど、好きって気持ちは募っていく。

好きすぎて、ずっと一緒にいられたらいいのに――……。そんな乙女チックなことまで考えてしまうの。



「起きているか?」

「……はい」

背後から抱きしめながら篤人さんは、私の髪にキスを落とした。
その行為にくすぐったくて、つい笑ってしまえば篤人さんはさらに抱きしめる力を強めた。
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