完璧上司は激甘主義!?

そう言うと、ふたりして呆れたように私を見つめてきた。

「なっ、なによ！だって仕方ないじゃない！生活水準が全く違うって分かっておきながら、易々とＯＫできるはずないし！……それにきっと今のまま一緒に住んでしまったら、篤人さんは間違いなく私のこと、嫌いになっちゃうよ」

そうだよ。毎日一緒にいたら疲れてしまう。
潔癖症の篤人さんと、ズボラな私。
私が直さない限り、篤人さんはいつかきっと愛想尽かしてしまう。

「だからこそいい機会なんじゃないの？」

「――え？」

意外な言葉に顔を上げれば、未希は少し怒った表情を見せた。

「あのさ麻帆。もう南課長と付き合ってけっこう経つよね？ずっとズボラな性格直したいって言っていたけど、直っていないから一緒に住みたくないんでしょ？」

「……うん」

するとより一生厳しい言葉が返ってきた。

「それってただ単に麻帆が南課長に甘えているだけじゃん。……はっきり言って自分の非を認めずに直そうともせず、逃げているのと同じ。麻帆のこと理解してくれている南課長に失礼なことしているって分かっている？」

いつになく厳しい口調で話す未希に、隣に座る斗真は私と未希を交互に見ながら、どうしたらいいのか分からず状態。
でも、未希の言葉……ズンときた。