完璧上司は激甘主義!?
素直な気持ちを言葉にすると、未希はとびっきりの笑顔を見せた。

「やだな、親友なんだから当たり前でしょ?……きっと南課長、麻帆にすぐに返事をもらえなくてヤキモキしていると思うから、早く自分の気持ちをちゃんと伝えた方がいいよ」

「うん」

篤人さんがヤキモキしているとはちょっと考えられないけれど、自分の気持ちを伝えないわけにはいかない。
明日にでもちゃんと伝えよう。
今の私の気持ちを。

「おいこら!お前ら俺がいることすっかり忘れていないか?」

未希とふたりで笑い合っていると、斗真は我慢できなくなったようにオーバーに間に割って入ってきた。

「しかも麻帆!俺だってけっこういい言葉を言ってやったつもりだけど、礼のひとつもないのか!?」

あぁ、また始まってしまった。斗真の子供染みたことが。
やれやれと言わんばかりに未希と目が合ってしまう。

「はいはい、斗真もありがとう」

「気持ちが入ってねぇけど!」

適当にお礼を言えば、やはりまた子供染みた言葉が返ってくる。
すると未希は、斗真を見ては心底呆れたように息を吐いた。

「あ~あ。麻帆はいいなぁ。将来を考えてくれる素敵な彼氏がいて!それなのに私ときたら……」

やや演技かかった未希の姿に、斗真は急に狼狽え出した。
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