完璧上司は激甘主義!?
それはきっと恋人同士になった今も変わっていない。
でも、私と篤人さんは……?
上司と部下という関係から始まった。お互いのことなんてほとんど知らなかった。
まぁ、私の場合はズボラな性格がバレてしまったけど。
でも未希達のようにお互いのことを知り尽くしているわけではない。

もしかしたら篤人さんに同棲話を持ち掛けられて、すぐに返事が出来なかったのはただ単に、ズボラな性格が全てだったわけではないのかもしれない。
篤人さんの全てを理解するのが怖いし、同様に篤人さんにも私の全てを理解されるのが怖かったのかもしれない。

パソコンに集中しつつも、漏れてしまう溜息。

私って私生活だけではなく、恋愛においてもズボラなのかもしれない。
なんかと理由をつけて逃げている。本当、未希の言う通り逃げてばかりではダメだってちゃんと分かっているのにな。
いつも頭では分かっていても、怖くてなかなか行動に移すことが出来ないんだ。
でも今回ばかりは違う。
篤人さんとの関係ばかりは、ズボラになるわけにはいかないもの。
今日中に話すんだ、絶対に。

決意を固め、とにかく今は仕事に集中しようと頭を切り替えた時、バタバタと足音を立ててオフィスに飛び込んできたのは部長だった。そしてなぜか私の元へ慌てた様子で駆け寄ってきた。
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