完璧上司は激甘主義!?
「新さん、ちょっと!」
「え?」
時刻は十一時過ぎ。あと一時間で休憩時間を迎える今、みんな集中して仕事をしている中の部長の登場に、手を休めては皆チラチラとこちらを見つめてきた。
それもそのはずだ。だってこの部長の形相……。
ただ事ではない。あれ?もしかして私、気付かないうちに部長に呼び出されるようなマズイことでも、やってしまったのだろうか?篤人さんと付き合い始めてからは、特に気を付けていたんだけどな。
「新さん、早く!」
「あっ、はい!!」
部長を見つめたまま考えを巡らせていると、痺れを切らしたように声を荒げたものだから、驚きのあまり言われるがまま立ち上がってしまった。
すると部長は既に歩き出していて、どんな理由があって呼び出したのか聞けぬまま、とにかく追い掛けるしかなかった。
オフィスを出て廊下に出る。
それでも部長の歩くスピードは緩むことはなく、ついていくだけで精一杯だった。
でもエレベーターホールまで来ると、さすがに部長の足も止まり呼び出しボタンを押すと、なぜかわざとらしく大きな咳払いをした。
「新さん、言いにくいことだとは思うのだが、その……高畑先生とは一体どんな関係なんだ?」
「え……高畑先生、ですか?」
まさかここで大高さんの名前が上がるとは夢にも思わず、部長を目の前に随分と間抜けな顔をしてしまった。
「え?」
時刻は十一時過ぎ。あと一時間で休憩時間を迎える今、みんな集中して仕事をしている中の部長の登場に、手を休めては皆チラチラとこちらを見つめてきた。
それもそのはずだ。だってこの部長の形相……。
ただ事ではない。あれ?もしかして私、気付かないうちに部長に呼び出されるようなマズイことでも、やってしまったのだろうか?篤人さんと付き合い始めてからは、特に気を付けていたんだけどな。
「新さん、早く!」
「あっ、はい!!」
部長を見つめたまま考えを巡らせていると、痺れを切らしたように声を荒げたものだから、驚きのあまり言われるがまま立ち上がってしまった。
すると部長は既に歩き出していて、どんな理由があって呼び出したのか聞けぬまま、とにかく追い掛けるしかなかった。
オフィスを出て廊下に出る。
それでも部長の歩くスピードは緩むことはなく、ついていくだけで精一杯だった。
でもエレベーターホールまで来ると、さすがに部長の足も止まり呼び出しボタンを押すと、なぜかわざとらしく大きな咳払いをした。
「新さん、言いにくいことだとは思うのだが、その……高畑先生とは一体どんな関係なんだ?」
「え……高畑先生、ですか?」
まさかここで大高さんの名前が上がるとは夢にも思わず、部長を目の前に随分と間抜けな顔をしてしまった。