完璧上司は激甘主義!?
口角を上げ微笑む姿に、待っていて良かったと心底実感させられる。

「あっ、あの大丈夫だった?もし、まだなにかやることがあるなら手伝うけど」

「ううん、大丈夫!……もう全てクリア出来て南課長に帰れって言われてきたんだ」

そう話す田村さんは、達成感に満ち溢れていて笑顔が少しだけ眩しかった。

「あの、さ……もしこの後時間があったら食事に行かない?もちろん奢るから!……ずっと待っていてくれたお礼に」

田村さん……。

笑顔の田村さんにつられて、いつの間にか私も笑っていた。

「じゃあ奢ってもらっちゃおうかな」

「了解!」

お互い笑い合って、オフィスの電気を落とし後にした。



「えっ!!ブライダルフェアのゲスト記載順を間違えちゃったの!?」

「そ。メインゲストを一番下にしちゃったの」

あれから田村さんに連れられてきたのは、オシャレな創作料理が楽しめる居酒屋だった。
お通しから私好みの味付けで、お酒も美味しく舌つづみの中、話題は田村さんのミスについて。

「秋冬のブライダルフェアって、毎年客入りがいいって言っていたでしょ?なのに大切なパンフレットの記載ミスよ。まだゲストの目に触れる前だったから良かったけどね」
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