完璧上司は激甘主義!?

とはいうものの、いくら同期とはいえ、さすがにまだ恋バナできるような仲ではない。
しかも相手は同じ社内で同じ部署だし。

バレないようグビグビとお酒を進める。

「でしょ？それにあぁいう人には、相応しい人がいるよね」

「――え？相応しい人？」

完全に動きが止まる私とは違い、お酒も進みすっかり饒舌になっている田村さんは、次々とテーブルに並べられている料理に箸をつけていく。

「そう。いかにも仕事が出来る女で、なおかつ南課長に負けず劣らずの潔癖症女子！でないと、うちらみたいな一般人とは付き合っていられなさそうじゃない？」

うっ……！
心が痛い。

「そっ、そうだね」

「アハハ」と乾いた笑いを漏らしながら、追加のお酒を注文する。

「南課長は家でも潔癖症っぽくない？それに仕事だけじゃなくて、プライベートでも常に完璧を求めていそうだし。きっと一緒にいたら息が詰まっちゃうよ」

息が詰まっちゃう……か。
きっと私も田村さんのように会社での南課長しか知らなかったら、同じように考えていたと思う。