完璧上司は激甘主義!?
「あ~あ……。つい最近片付けたばかりなんだけどな」

帰宅後にこの汚部屋を見るのは酷すぎる。
適当に鞄を投げ、乾いた洗濯物が無造作に山になっているソファーへと腰を下ろすと、つい大きな溜息が漏れてしまった。

「本当……こんな部屋、誰にも見せられないや」

ソファーには服の山。テーブルの半分は化粧品やスキンケアグッズが置きっぱなし。そしてワンルームの部屋の床には雑誌や漫画など、色々な物が散乱している。
ベッドの上は……もちろん朝起きたままの形だし、キッチンは意外に片付いているけど、それはただ単に料理をしないから。

昔からズボラな性格で、掃除とか苦手だったし、部屋が汚れていようが気にしない方だった。だってあまりに綺麗に片付けられていたら落ち着かないし。
かろうじで実家暮らしのうちは親に言われ、嫌々掃除していたけれど、社会人になった今、誰もこの家にいないかと思うとどうでもよくなる。

それでもたまにさすがにまずいと思って片付けをするものの、二日と持たない。
どうも才能がないというか……片付けるのが面倒になっちゃうんだよね。
< 5 / 410 >

この作品をシェア

pagetop